INDEX

 

ドライブシャフトの抜き取り方法

 ドライブシャフトのCVジョイントを割ってしまうと、ナックルケースの中に破片がひっかっかってハンドルが切れなくなってしまいます。そうすると山から降りるのもままならなくなるので、応急的にドライブシャフトを抜かなければなりません。
 今回は、ジムニーを例としてフロントドライブシャフトの抜き方を紹介します。たぶん、フロントリジット&ディスクブレーキのパートタイム4駆は、似たようなもんでしょう。
 この部分は指定工場でしかいじっちゃいけない部分なので、ちゃんとした修理は指定工場に依頼するか、分解整備してから2週間以内に検査を受けましょう。


 まずは、フリーホイールハブのばらしに掛かります。
 フリーハブの頭についているボルト(矢印)を外して「フタ」を開けます。

 「フタ」を開けるとドライブシャフトの端のスプラインの部分が顔を出します。
 次にドライブシャフトをフリーハブに留めているスナップリング(矢印)を外します。
 これは、スナップリングプライヤを使うと簡単ですが、山で壊れてそんな工具持っていないって場合は、マイナスドライバーでこじったりとかでもなんとか外せます。  

 フリーハブの台座のボルトを外します。
 ここには、コーンワッシャーも入っていて固く締まっている場合も多いので、タイヤをつけたまま作業した方が楽です。
 また、後でボルトを締め戻すときにコーンワッシャーの為に締め具合の感触が伝わりにくくてボルトをねじ切ってしまうことがあるので手加減しましょう。(ちゃんとした工場ならトルクレンチで締めてくれるハズです)

 フリーハブの台座のボルトを全部外すとフリーハブが外れます。

 ここまで来たらタイヤを外します。

 ブレーキキャリパーの裏のボルトを2本外して、ブレーキキャリパーをディスクから外します。

 リーフのジムニーは、ちょうど良い具合にブレーキキャリパーが置けます(^^)

 ハブの部分のロックワッシャ付きのダブルナットを外します。
 1. まずロックワッシャの爪を平らに戻します。
 2. ナットは軽く締まっているだけなのでナットの角にマイナスドライバーとかを当ててハンマーとかで小突くとナットが緩みます。
 3. ロックワッシャを外して、内側のナットも外側と同様に外します。

 外したナットと、ロックワッシャ。

 ブレーキディスクを手前に引くと外れてきます。
 この時、ハブの中に残っているハブベアリングと、ワッシャも一緒に出てくるので、地面に落とさないように注意。なんてたってベアリングに砂粒とかがつくとガソリンで洗浄→グリスアップって手間が増える。

 ディスクカバーをほーしんぐに留めている4本のボルトを外します。

 このシャフトのカバー?は、シール剤でくっついています。プラスチックハンマーか、当て木をあてたハンマー又はその辺の石で回転方向に叩くと外れやすいと思います。

 ドライブシャフトのお目見え。
 ステアリングが切れなくなっているときはCVジョイントの笠の部分が割れていることが多いが、今回は無事。

 CVジョイントではなくてシャフトの部分がねじ切れてました。

 よく見ると破断部分はソフトクリームのように渦巻きになっている。
 シャフトのちょっと太くなっている部分には、オイルシールが付いていて、デフオイルが漏れないようになっている。オイルシールが消耗していたら要交換。

 後は、バラす時と逆の手順で組み立てて応急処置は終わりです。どうせ山から降りるだけだからとフリーハブの代わりに「軍手」を付ける人もなかには居ます。  フリーハブをフリーにして2駆にしておとなしく帰りましょう。  なお、この手順はあくまでも応急処置を前提として紹介しています。
 また、作業の全責任は作業者本人にあるものとし、以下のようなありがちなトラブル及びこの作業を行うことによって被った全ての責任について私は関知致しませんのでご承知おき下さい。
 で、ありがちなトラブルとして、
 ブレーキキャリパーを外しているときにうっかりブレーキを踏んじゃってパッドを戻すのに往生こく。
 ハブベアリングの締め方が緩くてタイヤがぶれる。
 ハブベアリングの締めすぎでベアリングが焼け付く。
 ホイールナットの締めが甘くて、走行中にタイヤが外れて胴体着陸。
 ってのが考えられます。くれぐれも気を付けましょう。

INDEX